「Uピンを挿したけれど、動いているうちにスルスルと落ちてきてしまう」
「お団子ヘアを留めたはずなのに、なぜかグラグラして安定しない」
ヘアアレンジをする際、このようなもどかしさを感じたことはありませんか?実は、Uピンが留まらないのには明確な物理的な理由があります。それは、アメピンとは異なる「留める原理」を理解していないことが原因の大半です。
私は現場での検証を通じて、Uピンは単に挿すだけでなく、「毛束を縫う」動きと「ピン同士の連携」によって、初めてその効果を発揮することを確信しました。
この記事では、Uピンの種類による使い分けから、誰でも強固に固定できる「クロス留め」「スライド留め」の技法まで、図解と動画を用いて論理的に解説します。
この記事の結論:Uピンを攻略する3つの鉄則
- 「縫う」動き:ただ挿すのではなく、一度すくってから反転させて挿す(縫い留め)ことでロックがかかる。
- 「2本」の摩擦:1本で無理な場合は、2本をクロスまたはスライドさせて摩擦を増やす。
- 「閉じる」準備:使用前にUピンの足を指で挟んで閉じ、バネの力を復活させてから使用する。
まずは、そもそもUピンにはどのような種類があり、どう使い分けるべきかという基礎知識から整理していきましょう。
Uピン(ユーピン)の種類と特徴
一言で「Uピン」と言っても、プロの現場では用途に合わせて主に3つの種類を使い分けています。ご自身が持っているピンがどれに当てはまるか確認してみましょう。

1. ネジピン(多毛・ロング向け)
長さは約72mm。表面に波状の加工がされており、オニピンよりも長く強度があります。髪の量が多い方や、大きめのお団子をしっかり固定したい場合に適しています。
2. オニピン(標準・初心者向け)
長さは52mm〜55mm。最も一般的に「Uピン」として売られているのがこのタイプです。扱いやすい長さで、基本的なヘアアレンジのほとんどに対応できます。
3. 毛ピン(繊細な質感調整向け)
長さは50mm〜52mmと短く、非常に細くて柔らかいのが特徴です。強度はないため固定用としては使いません。ふんわりさせた後れ毛を浮かせたり、ディティールを調整したりする際に使います。

毛ピンはそのまま挿すと抜け落ちてしまうため、画像のように片足を折り曲げてフック状にしてから使用するのが現場のテクニックです。
結局、どれを使うべき?
基本的には「オニピン(短い方)」だけで十分です。
プロのような繊細な作品作りをしない限り、オニピンがあれば事足ります。もし髪が非常に多くてオニピンでは弾かれてしまうという場合のみ、ネジピンの導入を検討してみてください。
「Uピン」と「アメピン」の決定的な違い
使い方の解説に入る前に、アメピンとの役割の違いを明確にしておきましょう。
アメピンは「線」で挟んで固定する道具であり、少ない毛束をピタッと留めるのに向いています。対してUピンは「面」や「立体」を支える道具です。
お団子のようなボリュームのある髪をアメピンだけで留めようとすると、ピンが開いてしまい崩れる原因になります。「ボリュームがある部分はUピン」「細かい部分はアメピン」と使い分けるのが基本です。
1. 摩擦力でロックする「2本使い」のテクニック
Uピンが1本で留まらない最大の理由は、髪の反発力にピンの摩擦力が負けているからです。そこで有効なのが、2本のピンを使って摩擦力を倍増させる方法です。

1-1. 最強の強度を誇る「クロス留め」
重たいお団子や、絶対崩したくないときはこの方法を使います。

①②)2本のUピンをあらかじめX(エックス)状にクロスさせます。
③④)その交差部分を支点にして、留めたい位置に垂直に挿し込みます。
ピン同士が噛み合うことで強烈な摩擦が生まれ、1本では考えられないほどの固定力を発揮します。
1-2. 隙間を埋めて安定させる「スライド留め」
クロス留めほどではありませんが、通常の1本挿しよりも格段に安定します。

①②)2本のUピンを重ねて持ち、少しスライドさせて幅を調整します。
③)そのまま留めたい箇所に挿し込みます。
これは「Uピンの隙間」をもう一本のピンで埋めるイメージです。ピンの密度が高まることで、髪が逃げにくくなります。
2. 【動画解説】プロがやっている「縫い留め」の極意
Uピンは、ただ上から下へ挿すだけでは留まりません。「髪をすくって、反転させて、奥へ挿す」という一連の動作が必要です。これを私は「縫い留め」と呼んでいます。
まずは動画で手の動きを確認してみてください。
2-1. 表面の髪と土台の髪を「繋ぐ」

Uピンで留めるべきは、「動かしたくない髪(A)」と「土台となる髪(B)」の接点です。まず、Uピンでお団子の端(A)を少量すくいます。この時、ピンはまだお団子の外側を向いています。
2-2. テコの原理で「反転」させる

ここが最重要ポイントです。髪をすくった状態で、Uピンをグッと起こし、お団子の中心(土台)の方へ倒します。
すると、すくった髪(A)がねじれながら土台(B)と絡み合います。この「ねじれ」がストッパーの役割を果たします。
2-3. 深く挿し込んで固定完了

反転させたピンを、そのまま頭皮に沿わせるように深く挿し込みます。正しくできていれば、ピンが全く見えなくなり、しっかりと固定されるはずです。
【注意】襟足の処理を忘れない

特に低めの位置でお団子を作る場合、重力で襟足部分がたるみやすくなります。襟足付近も同様の手順でしっかり「縫い留め」を行い、土台と密着させておきましょう。
3. 意外と知らない「使用前の準備」
「正しい挿し方をしているのに、なぜか抜けてくる」
その原因は、Uピンの形状そのものにあるかもしれません。新品のUピンや使い古したUピンは、先端が開いていることが多いです。
開いたまま使うのはNG

画像右のように先端が開いた状態で挿しても、髪への引っ掛かり(摩擦)が弱く、すぐに抜けてしまいます。
使う直前に、必ず指でギュッと挟んで先端を閉じてください。こうすることで、髪の中でピンが元の形に戻ろうとする「バネの力」が働き、内側から髪を圧迫して固定力が高まります。
Uピンに関するよくある質問(Q&A)
Q. ベリーショートでもUピンは使えますか?
A. 基本的には難しいですが、条件付きで可能です。
Uピンは「挿す土台」がないと機能しません。髪が短くても、ゴムで結んだり、編み込みをしたりして「髪が密集した土台」を作れるのであれば、そこに飾りとして挿すことは可能です。ただ、固定用としてはアメピンの方が適しています。
Q. どちらが表かわかりません
A. Uピンに表裏はありません。
ただし、カーブがついているタイプ(頭の丸みに合わせたもの)の場合は、凹んでいる側を頭皮に向けるようにして使います。
まとめ
Uピンは、感覚だけで使っているとうまく留まりませんが、以下のロジックを意識するだけで劇的に使いやすくなります。
- 「縫う」動きで髪と土台を一体化させる。
- 1本でダメなら「2本」を使って摩擦を増やす。
- 使う前には必ずピン先を「閉じる」。
これらをマスターすれば、時間が経っても崩れない、美しいまとめ髪を自分で作ることができるようになります。ぜひ次回のヘアアレンジで試してみてください。

